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episode 7

あるところでは豪雨。一方では干ばつ。いったいなぜ?

ここ数年の間、災害のたびに「数十年に一度の◯○」というニュースが流れます。◯○は、豪雨だったり猛暑だったりします。これらを、テレビや新聞などでは異常気象と呼んでいます。でも、科学の世界では、毎年のようにあったり、数年に一度くらいなら異常気象とは言いません。その代わりに、最近では極端現象(極端気象)という言葉が使われています。IPCCの報告書でもこの言葉が使われています。

2010年夏のロシアの記録的な猛暑、2010年のアマゾンの干ばつなどをはじめ、2020年のアメリカ西海岸の山火事は、地球温暖化による猛暑が原因という声もあります。日本では、一度にたくさんの雨が降るゲリラ豪雨や、特定の場所にだけ激しい雨が降り続く線状降水帯などが、極端現象の一例です。また、最近の台風は超大型のものが発生し、強大な勢力を保ったまま日本に近づいてきたりしています。雨の話ばかりでなく、暑さのほうでも、最高気温が30℃以上になる真夏日は増えているわけではありませんが、35℃以上になる猛暑日はこの10年間で確実に増えています(episode 1参照)。まさに、極端に異常な天候が、私たちの暮らしをおびやかしています。

これらの極端現象(極端気象)について、IPCCの報告書では、わたしたち人間がたくさんの二酸化炭素を出して地球温暖化を招いたからとしています。実際に異常気象が地球温暖化と関係があるのかどうかは、今、世界中の研究者がスーパーコンピュータでシミュレーションし、研究を進めています。最新の研究では、地球温暖化が進むことで、極端な気象になる可能性が高いものと、まだ関係性がはっきりしないものがあることがわかっています。地球温暖化と異常気象の関係については、さらに長期的な研究によって、より確かな結果が得られるよう取り組みが進められています。

※ IPCC :気候変動に関する政府間パネルのこと。


episode 7
あるところでは豪雨。一方では干ばつ。いったいなぜ?



くわしいデータと解説1
アメダスの1時間降水量50mm以上の年間発生回数


出典)気象庁
( https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/extreme/extreme_p.html )


1時間に50mm以上の雨は、予報用語では「非常に激しい雨」と表現します。「バケツをひっくり返したように降る」を通り越して、「滝のように降る」というイメージです。そんな雨の発生回数が、年を追うごとに多くなっています。およそ35年前と最近の10年間を比べると約1.4倍増加しています。