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03
episode 3
温暖化で、海があたたまる。嵐が起こる。
ここ数年サンマが不漁で食べられなくなったり、北海道のサケが獲れなくてイクラも値段が高くなったというニュースを聞きます。これは海水温が高くなったのが原因と言われています。
地球の気温が上がると、その熱を海が吸収します。海水温が上がると、海から水蒸気が発生します。この水蒸気が上空で冷やされ雲になり、雨を降らせます。気温が高くなればなるほど、海水温が上がり、より多くの水蒸気が発生し、より大きな雲ができます。最近の台風が大型化しているのは、温暖化によるものです。
また、海水は空気中の二酸化炭素も吸収しているのですが、水温が上がると吸収しにくくなり、逆に溶け込んでいた二酸化炭素を空気中に解き放つようになります。つまり、空気中の二酸化炭素濃度はますます高くなり、温暖化に拍車をかけることになります。
ここ数年、各地に被害をもたらす大雨のニュースで、線状降水帯という言葉をよく聞くようになりました。雨雲が連なり、集中的に雨を降らせ、数十年に一度とか百年に一度という豪雨となり、山崩れや洪水となってとても大きな被害をもたらしています。2019年7月の「令和2年豪雨」で球磨川が氾濫し熊本県人吉市をはじめ大きな被害が出たことは、皆さんの記憶にも新しいと思います。この記録的な大雨をもたらす線状降水帯の発生も地球温暖化の影響と多くの専門家が言っています。
温暖化によって海があたためられると、台風が大型化し、また気候変動にも大きく影響します。そして、私たちの暮らしや命を脅かすことになります。
episode 3
温暖化で、海があたたまる。嵐が起きる。
くわしいデータと解説1
日本の海は、あたたまっている。
人為起源の温室効果ガスの総排出量に占めるガスの種類別の割合
出典:気象庁ホームページ
https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/data/shindan/a_1/japan_warm/japan_warm.html
上のグラフは2020年までのおよそ100年間にわたる海水温の上昇を表したものです。
この100年で海水温は1.16℃上がっています。世界全体では0.56℃上がっているそうです。それと比べると、倍近い上がり方です。日本近海は、世界全体でみても水温上昇率が高い海になっています。