CSR
07

episode 7

バイオガス発電にも貢献する、余剰酵母。

ひとつ前の記事で余剰酵母が豚の飼料の一部になっていることを紹介しましたが、ホッピーの余剰酵母は、もうひとつ役割を担っています。それは、発電です。東京都羽村市にある西東京リサイクルセンターの羽村バイオガス発電所は、食品工場やスーパーマーケットなどから生ごみとして運び込まれたものを使って電気を生み出しています。

ここに運ばれてくるのは、食品工場の製造工程でできる残渣、期限切れの食品、スーパーの食材の切れ端、在庫処分品などです。中には包装されたものも含まれますが、前処理作業で袋と中身は自動的に分けられ、中身だけが発酵槽に送られます。ホッピーの余剰酵母も一緒に発酵槽に入ります。密閉型の大きな発酵タンクの中では、独自の技術で発酵が進み、メタンガスが発生します。このガスが船舶などに使われる大きなエンジンに送られ燃焼し、その力で発電機が回り、電気エネルギーを生み出します。

ここで生まれる電気は、約850万kWh/年。一般家庭約1,550世帯の年間電力消費量に相当します。また、発酵を終えた発酵残渣は、水分が除去されて有機堆肥となります。品質的にも優れた肥料として、農作物の肥料に使われています。

生ゴミの処理は、これまで主に自治体の清掃工場で行われてきました。しかし、水分の多い生ゴミは、燃焼炉に負担をかけ、燃やすのに燃料が必要など多くの問題があります。生ゴミがバイオガス発電に使われることで、清掃工場の負担はその分少なくなります。しかも、発電後の残渣が有機堆肥になり、また野菜を育てるのに役立つという循環型社会を作る一翼を担っています。


episode 7
バイオガス発電にも貢献する、余剰酵母。