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06

episode 6

豚をすくすく育てる、余剰酵母。

ホッピーは、液を作る最後の工程で、貯酒タンクというところで熟成させます。濾過した後の液体の中で、澱(おり)が時間をかけて静かに沈んでゆき、澄んだ部分がびん詰めされホッピーになります。一方、貯酒タンクの下には澱が溜まります。その主なものは、ホッピーを作った後の酵母です。これを余剰酵母といいます。余剰酵母は廃棄物になりますが、まだまだ栄養分が含まれています。これも、麦芽搾りかす同様、家畜にはとても良質な餌になります。

というわけで、余剰酵母は千葉県に運ばれます。そこは、食品リサイクルをコンセプトにした食品ロスを収集し、飼料化する工場です。ここでは、食品工場の余剰生産分や製造副産物などの食品ロスを集めて加工し、豚の飼料に変えています。飼料は、リキッドフィードといって液状なのが特徴。食品ロスというと、残り物、食べ残しみたいなイメージを持ちがちですが、ここに集まってくるは、人が食べられるものばかりです。例えば、チョコレート、ケーキ、麺類、レーズン、クッキーにミルフィーユなど。だから、材料が大型トラックで運ばれてくると、周辺に甘い匂いが漂います。豚は甘いものが大好物で、これらと液体を混ぜてリキッドフィードを作ります。材料はその都度違いますが、豚にとっての栄養バランスを考えたレシピプランに合わせてブレンドされ、一日に300トン以上のリキッドフィードが生産されています。

出来上がったリキッドフィードは、付近のグループ養豚農場に運ばれ、飼料用米などの穀物を混ぜて豚に与えられます。液状の飼料は、埃を出さないので、農場内の人にも、また豚にとっても気管支炎や肺炎を発生させるリスクが少なく、また、消化吸収がいいので、成長も早いそうです。


episode 6
豚をすくすく育てる、余剰酵母。