ACT
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2021年にイギリスで開催されたCOP26(国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議)において、46カ国・地域が石炭火力発電をめぐり、先進国などは2030年代、世界全体では40年代の段階的廃止を目指すことで合意しました。残念ながら、日本はこれに加わっていません。しかし、この流れは世界の趨勢で、今後は日本への圧力が強まる可能性もあります。再生可能エネルギーへの変換は、私たちが取り組むべき道です。
国立環境研究所は、暮らしに身近な分野で温室効果ガス排出を減らすための57の選択肢を示しました。これによると、削減策で最も効果の大きいのは、自宅に太陽光パネルを設置したり、省エネ性能を高めたりすることでした。これに次いで効果のあるものとして、再生可能エネルギー由来の電力に切り替えることを挙げています。国立環境研究所の研究員は、「政府が脱炭素政策を強化するのが大前提だが、個人による温室効果ガスの排出削減策の積み重ねも大切」といっています。
再生可能エネルギー由来の電力を、グリーン電力といいます。太陽光、風力、水力、地熱、太陽熱、待機中の熱その他の自然界に存在する熱、バイオマス(動植物に由来する有機物)でつくる電気のことです。
自治体も動き始めています。東京都港区では、区内の電力を100%再生可能エネルギーとすることを掲げた普及促進策「MINATO再エネ100」を始めました。港区は新橋・赤坂・六本木などの繁華街があり、大企業も多く集まっており、2018年度の二酸化炭素排出量は、都内自治体で最多の374万トンに達しています。「MINATO再エネ100」では、二酸化炭素排出量の7割を占める電力について、再エネ由来の電力へ切り替えを促し、削減を図っています。
episode 14
グリーン電力に換えよう。