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赤坂育子姐さんの踊りの会「茜和承」、開催。(第2回)
赤坂育子姐さんの踊りの会「茜和承」、開催。(第2回)
踊りの会「茜和承」は、東京の各花街の芸者衆による唄や踊りの第一部と、赤坂育子姐さんをはじめ東京赤坂組合の芸妓衆による第二部という構成でした。
第一部は、大井の芸者4名による大森甚句から始まりました。全員が三味線を奏でながら披露し、口開けに相応しい舞台でした。続いての浅草は、半玉の二人が踊りを披露。振袖に桃割れの髪型と花かんざし。踊りの巧みさの中にまだ可愛さが伺える舞いでした。続いて、葭町(芳町)、神楽坂、新橋と続きますが、いずれも地元の唄を取り入れた踊りを艶やかさとともに披露。それぞれの花街の色が見える舞台でした。
さてお待ちかねの第二部は、赤坂芸者衆の舞台です。まずは威勢のいい「咸臨太鼓」で会場に活気をもたらし、真希、真由両名による祝賀舞「春日三番叟」に続き、いよいよ育子姐さんの「浮世道成寺」です。所作の艶やかさ、舞いの流れとすっと静止する佇まいの美しさに身惚れます。「勢い肌」に続き、さつき、真希、真由、こいくによる「赤坂小唄」「からかさ」と演目が続き、再び育子姐さんの「おてもやん」。こちらはおかめとひょっとこのお面をつけての滑稽味のある舞いです。会場も沸きます。そして、最後は全員が名入り提灯を持って賑やかに。九つの演目を一気に踊ってくれました。圧巻の舞台でした。
「茜和承」で赤坂芸者衆の踊りを観て、これはやはり赤坂の宝だという思いを改めて強くしました。赤坂の人々がどこかで接してきた音曲は自然に体に染み込んでいて、今回の会で自分の中にあったことに気づいた。そんな思いがしました。だからこそ、伝統芸能の担い手である芸者文化を赤坂は大切に守っていかなければなりません。赤坂で踊れることがやはり嬉しいと、会を終えて赤坂芸者の一人は言っていたそうです。守り続け、伝え続けなければならない尊いものを再発見した思いです。
今回初めて芸者衆の踊りを観たという8歳のお嬢さんは、日舞を習いたいと思ったそうです。踊りを観る機会があれば、承継者も現れるということです。「茜和承」の中にある「承」は、受け継ぐという思いを込めて名付けました。赤坂の、赤坂ならではの、赤坂が誇れるものを、私たちは次代に伝え続けていきたいと想いを強くした一夜でした。(了)