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SUPER GT 開幕直前 カウントダウンスペシャル!③

「ホピ子復活対談」③

昨年夏のレースで火災にあったホピ子ことHOPPY Schatz GR Supra GTが、皆様のご支援や熱い応援を得てついに復活し、今年の第1戦からレースに復帰します。今週末の開幕戦に向けて、土屋武士チームオーナー/監督と石渡美奈共同チームオーナーの対談をお送りします。

<開幕まであと1日>

転がす前から、これは速いなと思っていた。
皆さんの想いも載せて、走ります。

_さて、皆さんの想いを載せた新しいホピ子ですが、監督から見てどうですか。走る前から、一段と綺麗で機能的に作られているとおっしゃっていましたが。

土屋:見ただけでも、全然違います。正直転がす前からこれ速いなと思っていました。復活というけれど、全部設計変更しているんです。フレーム以外は全部違うんです。デザイナーの木野が1台目を作ったときにやり残していたこととか、やりたかったこととか、走らせてみて初めて分かったこととか、そういうのを加えています。

石渡:今、監督は答えを探しながらお答えになっていたけれど、速いというのは、直感のような気がします。武士監督の中にある有形無形の経験から生み出されるデータという か、本能的なものが、こいつは速いと叫んでるみたいな。なんかそういう風に聞こえました。

土屋:そうですね。なんか、ひとつひとつ組みながら、作りながら、これっていうハマり方をしている感じがしましたね。

_今西さん*が作られたリアのバルクヘッドっていうのは、今西さんの最後の仕事ですか。
(*今西豊さん:今年1月に逝去されたレースのメカニックにしてエンジニア。土屋監督が現役最後にチャンピオンを獲得したマザーシャーシにも彼が大きく関わった。)

土屋:そうですね。工作機械の中にまだ完成せずのままあったものです。

_それがリアフレーム、リアのメンバーと合わさって、リアを構成するようになっていくわけですけど、その今西さんの言葉で、無い部品なら作ればいいっていう言葉があって、無い関係なら作ればいいと土屋さんがおっしゃってたことと重なる気がします。

土屋:そうですね。多分、それはあると思います。僕は日本有数の職人に育てられたの で、しかもちょっと化け物みたいな職人だったので、感覚的なものは職人気質かも。職人って、みんなわがままですからね。自分のやりたいなら、理不尽に通しますからね。いろんなものを犠牲にして、わがままで、駄々っ子がそのまま大人になるとああなるんだなっていう。それがすごいものを作ったり、すごいことをやらかしたりするわけですよ。ミーナさんもそっち系ですよね。

石渡:あれ?思わぬところで火の粉が飛んできたような気分ですけど。

土屋:本当にとんでもないことを成し遂げる人って、行くぞーって時には、付いて来い じゃなくて、引きずって行くんですよ。僕もドライバー時代から、開かないドアをこじ開けて、開かないんだったら越えていくっていうほうでした。まあ、その方が楽しいですからね。

石渡:改めてサーキットに戻れることの幸せを感じます。一時は、もうここは三途の川かなと思ったけれど、引き戻していただきました。皆さんからのご支援、応援をいただいたことを大切にしながら、監督は重いだろうけど、私はその重い想いを大切にしながら伴走させていただいて、またレースライフを復活させることを本当に嬉しく思っています。またサーキットで皆さんにお目にかかれるのを楽しみにしています。サーキットでお会いしましょう。