2018.9.11, NYにて想う。
2018.9.11 9:53am
7年前、あのアタックが続いた時間帯に、自由の女神像のクラウンに登った。
およそ一年越し…だ。
自由の女神様には大変申し訳ないのだが、告白すると、私は自由の女神様を軽んじていた。
昨年10月、初めてクラウンを目指した時によく調べもせずに行った私は、バッテリーパークにできた、自由の女神行きフェリーに乗船を待つ皆様の驚くような長蛇の列に圧倒され、近づくことすらできず、陸より遠く、女神様のお姿をかすかに眺めたのみ。
本年4月、出張前の二週間前に事前予約を試みたものの、やはり時すでに遅く、購入できたのは台座チケットのみ、それもニュージャージー州からの乗船。おそるべし、自由の女神様!
いい加減に懲りて真面目に計画しようとするも、4月28日の時点で予約が叶うのが9月以降という人気ぶり。よくよく調べたら、2011年の9.11で一度閉鎖されたクラウン展望台は、2009年7月4日に約8年ぶりに再開されたが、1時間30人、1日240人の制限がつき、入場には予約が必須となったそうだ。よって、クラウンチケットはなかなかの入手困難チケットになっているらしい。
何も準備せずに訪れようなんて状況を知らないにほどがあると、大変恥ずかしく思い、痛く反省した次第である。
そして3度目の正直は、2018年9月11日の一連のアメリカ同時多発テロ事件がはじまった直後の9時乗船チケットを予約完了。実に5ヶ月も前のことだった。
そして迎えた今朝。ますはチケットセンターで、予約票とパスポートを提示し、入場チケットとクラウンチケットを意味する紫のリストバンドを入手する。さらに、クラウン展望台まで行くために、バッグはロッカーに預け、携帯が許されるのはスマホとチケットのみ、加えてフェリー乗船前と自由の女神に登る直前の2箇所でのボディチェックが必須。とても厳重である。
そして354段の細い螺旋階段を登る。特に台座からクラウンまでの101段は片足が精一杯なくらいに小さく細い螺旋階段が続き、少し怖くて、少しドキドキした。
9時53分、3度目の正直、約一年越しで自由の女神様のクラウン部分に到着。なんとも言えないしみじみとした感動を覚える。なんども自由の女神様に通う私の姿に、こちらでお世話になっているドライバーさんには「執念ですね」と感心?していただいた!
そして、クラウンまでやって来た目的と向き合う。
濃い霧でワントレ辺りのスカイラインが霞む中、巻き込まれて命を落とされた2,977名の方々とそのご家族を思い鎮魂を願い、祈りを捧げる時間。
特にこの数年、こんなにも多くNYへ来させていただき、9.11メモリアルミュージアムにも何度も訪れている。ワールドトレードセンター跡地に刻まれたよく知った名前は、何度見てもドキッとする。9.11は決して他人事ではない出来事ゆえ、一度、この日のこの時間をNYで過ごしたいと願ってきた。ようやく実現の運びとなり思った以上に昨夜は緊張していたのか、よく眠れなかった。
7年前の同じ時間帯に起こったこの辺りの状況は、想像すらできない。ひたすらに祈りを捧げるだけ。
そして、一昨日から続く雨は止んだものの、まだまだ空は厚い雲に覆われていた朝、帰りのフェリーに乗船した瞬間、薄日が射したことは天のご采配だったのだろうか。
陸に戻ると霧の中からうっすらとワンワールドトレードセンタービルが姿を現わしてくれた。その姿を見ながら奇跡の星、地球が平和な星であり続けることを切望し、その実現のために微力ながらできることを我が人生を通じて、精一杯し続けていこうと改めて誓ったのだった。