経営は経営道
11月21日(水)
出版以来、よく言われたり、質問を受けるのが
師匠への依存度。
「それなら、師匠をホッピーの社長に
すればいいのに!」
そんな声に、どうしたら私の思いが
伝わるのかなぁ、なんて
取材の時に、どう受け答えしたものかなぁと
考えていて。
ふと、思ったのが
経営は、経営学ではなく、経営道である、ということ。
武道も華道も茶道も、「道」と名のつくものには
師範がいらして、一度入門すると
守・破・離の理にのって、その道を体得していく。
これにたとえているならば、経営者としてまだまだ
ひよっこの私は、「守」にあたるわけで。
だから、師範の教えの通りにまずは
実行することが、経営道を体得する正しい行動というわけだ。
ところが、一流の経済記者の中にも
「守破離、それも師匠の言葉ですか?」なんて
真顔で聞いてくる人もいて、
なかなか、私の思いが伝わらなくて
果ては、
「貴女の講演を聴く必要はない、
言われたとおりのことをやっている話なら、
師匠の話しを聞きに行く!」とかね。
ま、アンチ巨人は巨人ファンと言うけれど・・・。
昼間、小包が届く。
差出人は、私の本を書評に載せて下さった
ジャーナリストさん。
お礼にと、ホッピーセットをお送りしたまま
お世話になったそのありがたいお名前を
すっかり忘れていた。
直筆で頂いたお手紙を読み進めていき、
私は、声を発する!
「セバスチャン、ちょっとちょっと!!」
たびたび取材に立会い、悶々とした私の気持ちを
一番よくわかっているセバスチャンが
すっ飛んできた。
「見て、ほらね。私の思っていたこと
間違いないよ!」
ジャーナリストとして名を馳せる彼の手紙には、
私の好きな歌舞伎にたとえて、
やはり、私はモノの道を得る
守破離の理の守の段階にあること、
だから、いまは愚直なまでに守に忠実であり、
やがていつか、私なりのホッピーウェイを
見つけ出して欲しいとの
激励で結ばれていた。
自分の考えが間違っていなかったこと
そして、書評のみならず、
またしても、私を理解し
温かい言葉で励ましていただけたことが
とても嬉しく、とてもありがたかった。
私を励ましてくださったその応援の気持ちを
裏切りたくないなと強く感じた。
彼のおかげで、
これから長く続く経営道において、
守破離の理、
ものの原理原則には忠実に接し
そして、着実に良い社長への階段を上ろう、
そう考えている自分の考え方に
勇気がもてた。
これからますます、色々な声が
耳に届き、目に入るようになるだろうけれど
知らず軸がぶれていた、なんてことのないよう
がんばろうっと。
そして。
夕映えに輝く赤坂の空を眺めながら
やはり私の中には、歌舞伎を好きな
理由があるんだなと。
久しぶりに歌舞伎座に足を運ぶかな。