カレーにゅう麺から教わったこと。
9月1日(金) 雨のち晴れ
大阪は江戸幸の大将のお話をもう1つ。
先日のこと。
大将の店で
ご迷惑をおかけしてしまった。
シメにいつもいただく
「ウコン入りカレーにゅう麺」。
ウコン入りなので、おかげで翌朝
いつもすっきり起きることができる。
「は~い、おまっとぉ」。
大将が運んでくれた出来立てを
私たちは、テーブルでひっくり返してしまったのだ。
一瞬のことで、なにがなんだかわからなかった私。
気の毒なのは、出来立てのあっつあつを
思い切り腿にかぶってしまったY氏。
大の男と言えども、あまりの熱さに顔がゆがむ。
氷、濡れタオルとお母さんが
運んでくれる。
床もカレー汁でめっちゃくちゃ。
てんやわんやの私たち。
ふと、気づいたら大将の姿が見えない。
「?」と思ったが、熱さに苦しむY氏が気がかりで
そちらに気をとられていたら・・・。
「ほい」。
少しして外から帰ってきた大将が彼に差し出したのは
ヘインズの黒いTシャツ。
「パンツとズボンは買えなかったけど
せめてTシャツ着替えなはれ」。
それも白いTシャツでは、下着みたいだからと
わざわざ黒いTシャツ。
さらに。
「にゅう麺、いま、つくりなおしてやるからな」。
大将の思いやりの黒いTシャツに着替えて
Y氏に笑顔が浮かぶ。
かなり辛い思いをしただろうけれど
大将の心で、痛みや不快な思いも
薄らいだはず。
足は痛むはずなのに、
作り直してもらったカレーにゅう麺を
「これはおいしい!」と、食べていた。
「熱い思いをしてかわいそうに」。
親の味を味わっているような
彼のその笑顔もよかったな。
シャツが汚れたら、新しいシャツを
用意する、貸してあげる。
そういえば、小さい頃
そういう躾を受けたような・・・。
冷静に考えると。
すっかりマニュアルに犯されている私たちが
日々の仕事や生活の中で
ヒトとして当たり前の
思いやりや、感謝を表すことを
忘れていることが実に多いのだ。
わざわざ、会社に電話をかけて
ポスターの依頼をしてくれた
とあるコンビニチェーンの店長様。
車で行けば1時間程度の距離なのに
ところが、うちの営業はすぐに行動しない。
問屋さんに電話して、本部に確認とってもらって・・・。
「お伺いをたてたところ、本来、店舗へのメーカーの
ごあいさつは禁じられていますが
そういうことなら、セールス活動は行わないと言うことで
問題ないのではないかと・・・」。
この場合、誰も悪くない。
みんな、
マニュアルどおり、約束どおりに行動したのだから。
巨大チェーン企業だから、
ルールがないと、店舗のオペレーションが
ぐちゃぐちゃになる、ということはよくわかる。
ちっちゃな我が社でも
マニュアルは大事で必要不可欠な
ルールだと思う。
でも。
マニュアルに頼りすぎるあまり
いつのまにやら、
どうみてもおかしい判断を
おかしいと思えなくなっている自分を
優しくなくなっている自分を
時に感じてゾッとする。
大将の行動を目の当たりにして
ヒトとして基本的に大切なことを
思い出すことができたような気がする。
サービスの原点とは・・・。
私を筆頭に。
ちっちゃなホッピー社は
マニュアルに踊らされること無く
勇気をもって行動できる集団になりたいと思った。